放射性医薬品の研究開発・製造・販売を手がける日本メジフィジックス株式会社。 同社では、審査業務負荷の増大や判断の属人化が課題となっていました。
そこで製薬コンプライアンスに特化した「Shaperon 審査AI」を導入。最大30分かかっていた出典整合性確認を瞬時*1に行うなど、作業人員あたりの審査量が増加する中でも審査品質を維持しながら、審査業務の効率化と心理的負担の軽減を実現しています。
今回は、導入を担当された総務部・メディカルアフェアーズ部の皆様に、AI導入による業務効率化や心理的負担の軽減について伺いました。
3分でわかる導入事例サマリー
・他社比較において、高いコストパフォーマンスと精度が決め手に。
・出典整合性チェックが1件あたり最大30分 → 瞬時*1に短縮
お話を伺った方
- メディカルアフェアーズ部 猪澤 信悟様(写真左)
- メディカルアフェアーズ部 高橋 延之様(写真中央)
- 総務部 部長 春田 博司様(写真右)
1. 導入背景:増え続ける審査業務
総務部 部長 春田 博司様
組織体制の変更に伴う審査件数の増加により業務負荷が増大していました。
「2025年8月に組織変更があり、このままでは業務が回らなくなるリスクがある、と感じました。」
さらに、担当者間で判断が割れた際の調整負荷も大きくなっていました。
「担当者間で解釈が合わない時に審査基準における客観的な判断の根拠が不足しており、なかなか見解の折り合いが付きませんでした。」
また講演会スライドは納期が厳しく、短期間で大量のスライドを確認する必要があります。
「何十枚もの講演会スライドが複数件、講演会2日前に届き、その大半に修正が必要なものだったりすると、本当にどうしようかと思うことがありました。負担を軽くしないと回らないという危機感がありました。」
こうした状況から、審査品質を維持しながら業務負荷を軽減する仕組みが求められていました。
2. 選定理由:複数社比較で評価された「精度」と「導入コスト」
当初は人による外部委託や他社AIも検討されましたが、医療画像を専門にする企業に特有の課題が多く、導入に時間や費用がかかることが課題でした。
「数年前から審査でAIを活用するためにソリューションを探していましたが、他のAIベンダーからは学習用データが何千件も必要と言われていました。それと比較して、Shaperonは学習用データも不要で、費用面でも大きな差がありました。」
また、AIではない外部委託業者との比較検討では、実際にサンプル審査を試した結果、指摘精度にも大きな差があったといいます。
「Shaperon導入前に(AIではない)外注の審査サービスも比較検討し、サンプルスライドを審査してもらったのですが、他社では特にオフラベル表現の指摘精度に懸念があり、実用化は難しい状態でした。」
一方、Shaperonの審査AIはトライアル段階から高い精度を示しました。
「Shaperonはトライアルの段階から精度の高さに驚きました。医療画像の判断や出典元特定など、オフラベルの指摘をきちんと拾っていました。」
3. 導入効果:AIが「もう1人の審査担当」として審査を支援
左:メディカルアフェアーズ部 猪澤 信悟様 右:メディカルアフェアーズ部 高橋 延之様
満足度の高い指摘精度と納品スピード
「例えば症例スライドの個人情報など、私たちがつい見逃してしまう部分なのですが、AIはそこを逃さず、指摘してくれます。」
「納品フォルダを見て『もう来たの?早っ!』と驚くことが何度もありました。」
出典整合性チェックが 最大30分 から 瞬時*1 に短縮
「出典整合性チェックでは、スライド内に十分な出典情報が記載されていなかったり、テキストが画像化されている事も少なくありません。該当文献を探して中身を照合するのに、長いと30分もかかることもありました。」
審査AIは、出典元論文を自動検索し、出典元が見つかれば、リンクや該当ページ情報を提示します。さらに改変部分の検知にも対応しています。
「出典元のリンクが貼ってあるのが本当にありがたい。AIがページ数まで提示してくれます。改変がないかの確認なら、1分もかかりません。*1」
AIが「もう1人の審査担当」として審査を同時並行、判断もサポート
AIが客観的なもう1人の審査担当として加わることで、担当者は判断をスムーズに行え、心理的負担も軽減。
「人間同士だと解釈の違いが出ます。そこにAIの指摘が加わると、AIの指摘を人間のレビュアー一人分として加味することで、判断の一助になっています。導入して初めて実感したメリットでした。」
また審査AIの導入によって、AIに一次審査を依頼し、その間に担当者が別案件を処理することで、審査の同時並行が可能になりました。
「以前は出典元の整合性チェックが多く、確認に時間を要しそうな案件が来ると、手が取られ、他の案件が止まってしまいました。しかし今はそのような審査案件をShaperonに任せ、その間に別案件を進められます。予算の関係で全てのスライドを依頼できないため、敢えて作業時間が多く取られる審査案件をShaperonに依頼しています。」
「審査を同時並行で進められるようになったのは大きいです。時間以上に、心理的な余裕が生まれました。」
4. 今後の展望:審査の質を落とさず、現場の「余裕」を創出する
現在は審査の一部にAIを活用していますが、今後はさらに適用範囲を広げ、さらなる負荷軽減を目指しています。
「これから審査件数が減ることは考えにくいので、AIで効率化するしかないと思っています。Shaperonさんは実装スピードも速いし、担当者の柔軟性が高い。これからも一緒に改善を続けていければと思っています。」
*1…出典元が正しく特定された条件下での確認時間を指し、導入企業様へのヒアリングに基づく実測値です。入力データの複雑性や形式によっては、整合性チェックを行えない場合があります。



